相続放棄したことを故人の親、兄弟姉妹に伝えるべきか(in 岡山)
疎遠や仲たがいしていない場合は、後順位の人(親、兄弟姉妹)に相続放棄したことを伝えたほうがいい
司法書士 錦織 祐貴
司法書士 錦織 祐貴

相続放棄したことを後順位の相続人(親、兄弟姉妹)に伝えるべきか(in 岡山)

 

 

 

A子さん

A子さん

 

子どもが相続放棄したときに、後順位の相続人(故人の親や兄弟姉妹)に相続放棄したことを伝えたほうがいいのかな?

 

にしこり

にしこり

 

関係が険悪でないのならきちんと相続放棄したことを伝えたほうがいいですが、疎遠になっている場合や仲たがいしている場合は無理に連絡しなくてもいいです。

 

相続放棄すると、兄弟姉妹まで影響がいく

被相続人が莫大な借金をして亡くなった場合についてみていきましょう。

 

登場人物は下記の図の通りです。

 

 

相続人は、配偶者、長男、長女です。
配偶者、長男、長女が借金を相続しないためには、相続放棄をしなければなりません。

 

配偶者、長男、長女が相続放棄をした場合、もともと相続人ではなかったことになるので、父、母が相続人となります。

 

A子さん

A子さん

 

第1順位(長男、長女)が相続放棄をしたので、第2順位(父、母)が相続人になったんだね。

 

このままでは、父、母が借金を相続することになりそうです。
ですので、借金を相続しないために、父、母は相続放棄をしなければなりません。

 

父、母が相続放棄をした場合、父、母はもともと相続人ではなかったことになるので、弟が相続人となります。

 

A子さん

A子さん

 

第2順位(父、母)が相続放棄をしたので、第3順位(弟)が相続人になったんだね。

 

今度は、弟が借金を相続しそうになりそうです。
ですので、弟は借金を相続しないために、相続放棄をしなければなりません。

 

にしこり

にしこり

 

もし、被相続人が亡くなった時点で、弟が亡くなっている場合は、借金を相続しないために、甥、姪が相続放棄をする必要があります。

 

長男、長女は、自分が相続放棄したら、それで終わりではありません。
なぜなら、借金から逃れるためには、両親、弟も相続放棄をしなけらばならないからです。
つまり、長男、長女が相続放棄することにより、弟(弟が既に亡くなっていた場合は、甥、姪)まで影響を受けることになります。

 

ここで一つ問題点として、相続放棄したことを、後順位の相続人(親、兄弟姉妹)に伝えるべきかどうかとういうことです。

 

相続放棄したことを伝えるべきか

まず、前提として相続放棄したことを後順位の相続人(親、兄弟姉妹)に伝える義務はありません。
伝えたくなかったら、伝えなくてもいいのです。

 

もし、相続放棄をしたことを伝えなかったらどうなるでしょう?

 

いずれ、債権者からの通知(借金の返済についての催促)が届きます。

 

その債権者からの通知によって、自分が大変な状況に置かれていることを知り、慌てて相続放棄することになります。

 

被相続人の家族に対して、なぜ、相続放棄したことを教えてくれなかったんだろうと不快に感じるはずです。

 

ですので、関係が険悪でないのならきちんと相続放棄したことを伝えたほうがいいです。

 

A子さん

A子さん

 

疎遠になっている場合や仲たがいしている場合はどう?

 

関係が疎遠になってしまっている場合や仲たがいしている場合は、無理に連絡をとらなくてもいいと思います。

 

また、何十年も音信不通の場合、そもそも住所や連絡先も分からないことが多いのではないでしょうか

 

  • 相続放棄をすると兄弟姉妹(場合によっては、甥、姪)まで影響する
  • 疎遠や仲たがいしていない場合は、後順位の人(親、兄弟姉妹)に相続放棄したことを伝えたほうがいい

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。