A子さん
『除籍』と『改正原戸籍(かいせいはらこせき)』って何?
にしこり
まずは除籍について説明します。
戸籍に記載されている全員が婚姻や死亡することによって戸籍から除かれ、誰もいなくなると戸籍簿から除籍簿に移し替えられます。
この移し替えられた戸籍を除籍といいます。
分かりやすくいうと、除籍とは、誰もいなくなった戸籍です。
次に改製原戸籍について説明します。
法律の改正や、戸籍のコンピューター化により戸籍は作り直されます。
このことを戸籍の改製といい、改製される前の戸籍のことを改製原戸籍といいます。
A子さん
ところで、除籍謄本、改正原戸籍謄本はいくらするの?
にしこり
除籍謄本 1通750円
改正原戸籍謄本 1通750円
です。
戸籍謄本が1通450円なので少し割高に感じます。
家系図を作成したり、相続手続を行う場合、戸籍をさかのぼって取得します。
その際、除籍謄本と改製原戸籍謄本は取得する必要があります。
除籍とは戸籍に記載されている全員が婚姻や死亡することによって戸籍から除かれ、誰もいなくなった戸籍といいます。
(除籍謄本を取得することにより、除籍の内容全部を把握できます。)
改製原戸籍は、法律の改正や、戸籍のコンピューター化による改製前の戸籍のことをいいます。
(改製原戸籍謄本を取得することにより、改製原戸籍の内容全部を把握できます。)
法律の改正については、例えば、戦後に戸籍法が改正され、戸籍は『一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごと』に作成することが決まったので、戸籍を作り直す必要がありました。
戦前は、1つの戸籍に、戸主(現在の筆頭者)から見て妻、子どもだけでなく、母親、兄弟姉妹、甥・姪など一族が記載されていましたので、それを『一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごと』に作り直さなければなりませんでした。
また、平成6年法務省令により戸籍のコンピューター化が決まり、今まで、紙で管理されていた戸籍をコンピュータで管理するようになりました。
それに伴い戸籍を作り直しました。
書式が縦書きから横書きに変更し、出生・婚姻・離婚・死亡等を文章の記載から項目で記載するようになりました。
以前、私の母から戸籍謄本について質問がありました。
『戸籍謄本を取ったけど、長女について何も記載がない。なぜか?』
答えは、戸籍のコンピューター化前に、長女は結婚して戸籍から抜けてしまったからです。
戸籍のコンピューター化により戸籍を作り直す際に、筆頭者以外で戸籍から抜けた人がいる場合、コンピューター化された戸籍には、抜けた人については、何も記載されません。
相続手続をする際に、改製原戸籍をきちんと確認しないと、相続人を見落としてしまうので注意が必要です。
せっかくなので、『転籍』という言葉も一緒に覚えておきましょう。
転籍とは、本籍を別の場所に移すことをいいます。
本籍を移すことに何か制限があるわけではないので、いつでも、どこにでも本籍を移すことができます。
以前は、本籍地でしか戸籍謄本を取得できませんでしたが、令和6年3月1日からどこの市区町村役場でも戸籍謄本が取得できるようになったので、遠方に転籍したことによる不便さ(戸籍謄本を取得するのにかかる手間)は解消されました。
にしこり
転籍するには、転籍届を本籍地、届出人の住所地、転籍地のいずれかの市区町村役場に提出します。
転籍先が今までの市区町村と違う場合は、今までの戸籍は除籍となり、転籍先の市区町村役場で新しい戸籍が作成されます。
(同じ市区町村の場合は、戸籍事項欄に転籍の記載がされるだけです。)
最後まで読んでいただきありがとうございました。