建物を新築すると、「住所はどうなるんだろう?」と思ったことはありませんか。
建物の所有者が、自分の好きな数字を住所として決められるわけではありません。
住居表示が実施されている区域※では、新築した建物について市区町村に住居番号新設届出を行い、役所から通知された住居番号を住所として使用します。(例 岡山市北区大供一丁目1番1号)
※住居表示が実施されている区域かどうかは、市区町村役場に確認すれば分かります。
一方、住居表示が実施されていない区域では、一般的に建物が建っている土地の地番を住所として使用します。(例 岡山市北区今保92番地1)
今回は、そんな「住所」に関係するところで、住宅用家屋証明書の取得時にちょっとした問題が発生しました。
今回、新築した建物について、住宅用家屋証明書を取得する予定でした。
ところが、登記事項証明書を確認していると、少し気になる点がありました。(今回の建物が所在する地域は、住居表示が実施されていない区域です。そのため、住所には土地の地番が使われています。)
建物の所有者は、建物が建っている土地ではなく、道路に出るために利用している土地の地番を住所として届け出ていました。
今回の土地は、2筆に分かれていました。
つまり、建物が建っている土地の地番と、住民票上の住所が異なっていたのです。
「これは住宅用家屋証明を出すうえで問題になるのか?」
と思いながら、市役所の担当者に確認しました。
すると、
「このままでは住宅用家屋証明書を発行できません」
とのこと。
これは困りました。
住宅用家屋証明書は、登録免許税の軽減を受けるために必要になる重要な証明書です。
では、どうすればいいのか。
市役所の担当者に確認したところ、
「上申書を建物所有者に書いてもらってください」
とのことでした。
上申書には、次のような内容を記載するように言われました。
ここで、私は少し悩みました。
「住所を、建物の隣地(公道に出るために利用している土地)の地番にした理由」と言われても、今回のケースでは、特別な事情があったわけではありません。
そこで、市役所の担当者に聞いてみました。
「理由って、1(建物が建っている土地の地番の末尾)より、2(建物の隣地の地番の末尾)の数字のほうが好きだから、という理由でもいいんですか?」
すると、
「大丈夫です」
との回答。
ということで、言われたとおり、その理由を記載した上申書を作成しました。
そして、無事に住宅用家屋証明書を発行してもらうことができました。
今回の件で改めて感じたのは、住所の数字が少し違うだけでも、住宅用家屋証明書の取得に影響することがあるということです。
結果的には、上申書を提出することで、無事に住宅用家屋証明書を発行してもらうことができました。
登記の仕事をしていると、
「そんなところを見るの?」
というところで、意外と引っかかることがあります。
今回は、まさにそんな実務上の出来事でした。