同時死亡の推定で父の弟に相続させない3つの方法|親子が同時に亡くなった場合
親子が同時に亡くなった場合、同時死亡の推定により父の弟が相続人になることがあります。反証で推定を覆す方法、孫の代襲相続、遺言を使った相続対策の3つの方法を図解で分かりやすく解説します。
司法書士 錦織 祐貴
司法書士 錦織 祐貴

同時死亡の推定で父の弟に相続させない3つの方法|親子が同時に亡くなった場合

 

前回の記事では、親子が交通事故で同時に亡くなった場合、同時死亡の推定が適用されることで、父の弟など、本来は相続しないはずの人が相続人になるケースがあることを解説しました。

 

では、「父の弟に相続させないようにする方法」はないのでしょうか。

 

実は、民法上のルールや遺言、代襲相続を活用すれば、相続結果を変えることが可能です。

 

この記事では、父の弟が相続人になるのを防ぐための3つの具体的な方法を、

  • 同時死亡の推定を覆す方法
  • 孫がいる場合の代襲相続
  • 遺言の活用

の順で、話そうと思います。

 

1. 同時死亡の推定を覆す

民法では、法律の表現として「みなす」と「推定する」の2種類があります。
一見同じように見えますが、意味は大きく異なります。

  • 「みなす」:反論できない
  • 「推定する」:状況次第で覆すことが可能

今回のケースの『同時死亡の推定』は後者にあたるため、反証を挙げて推定を打ち破ることができます。

 

例えば、

  • 父は事故現場で亡くなった
  • 長男は病院に搬送されて亡くなった

ことを証明できれば、同時死亡の推定は覆せます。
その場合、父の遺産はまず母と長男が相続し、その後、母は長男の遺産を相続するため、父の弟が父の遺産を取得することはありません。

 

2. 孫がいる場合は代襲相続が可能

孫がいる場合の代襲相続イメージ図

 

もし長男に孫がいる場合は、父の遺産は、母と長男の代わりに孫が相続します。
このように、長男の代わりに孫が相続することを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」と言います。

 

民法887条2項 被相続人の子が相続開始以前に死亡した場合、「その子の子(つまり孫)」が代わって相続人となる

 

※「相続開始以前」には、同時死亡の場合も含まれるため、今回の事故のケースでも代襲相続が適用されます。

 

 

3. 遺言がある場合

父が生前に、遺言で「母に全財産を相続させる」と記していれば、父の遺産はすべて母が相続することになり、父の弟が相続することはありません。

 

まとめ|父の弟に相続させないためには/h3>
  1. 同時死亡の推定は絶対ではない
    どちらが先に亡くなったか分からない場合は原則「同時死亡」と扱われますが、反証によって推定を覆すことが可能です。
  2. 孫がいる場合は代襲相続が使える
    長男が亡くなっていても、その子(孫)が父の遺産を代わりに相続できます。
  3. 遺言があれば最も確実
    父が母に全財産を相続させる遺言を書いていれば、父の弟が相続することはありません。