相続登記のあとに不動産屋から届く売却案内の手紙|岡山の司法書士が解説
相続登記を終えたあとに不動産会社から売却案内の手紙が届いて不安ですか?岡山の司法書士が、情報漏洩ではなく安心してよい理由と仕組みをわかりやすく解説します。
司法書士 錦織 祐貴
司法書士 錦織 祐貴

相続登記のあとに不動産屋から届く売却案内の手紙|岡山の司法書士が解説

 

こんにちは 司法書士の錦織(にしこり)です。

 

相続登記が終わって、2~3か月ほどたったころ、突然、不動産会社からこんな手紙が届いたことはありませんか?

 

「相続された不動産のご売却を検討されている場合は、ぜひご相談ください。」

 

初めてこのような手紙を受け取ると、つい不安になりますよね。

 

「え?どこから相続のことが漏れたの…?」
「相続登記を依頼した司法書士が情報を教えたの?」

 

そんなふうに心配される方は実際とても多いです。

 

不動産会社はなぜ相続の事実を知っているのか?

結論から言うと、不動産会社が相続の事実を知っているのは、法務局に「行政文書開示請求」を行い、相続に関する情報を取得しているからです。

 

行政文書開示請求をすると、法務局から「受付帳」という資料が交付されます。
この受付帳には、どの不動産で、どのような登記申請が行われたかが一覧で記録されています。

 

 

 

不動産会社は、この受付帳の中から「所有権移転・相続」と記載された案件を選び、さらにその不動産の登記情報を取得することで相続人の氏名・住所を把握します

 

こうして収集した情報をもとに、営業案内の手紙が送られてきます。

 

相続登記後の手紙は情報漏えいではない理由

一見すると、「個人情報が漏れているのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、不動産登記制度は公開が原則で、登記に関する情報は誰でも閲覧できる仕組みになっています。

 

そのため、不動産会社が今回のような方法で法務局から情報を取得するのは、違法行為でも情報漏えいでもありません。

 

相続登記後の手紙に不安?不動産会社の手間と実態

それでも、「やっぱりモヤモヤする…」という方もいらっしゃると思います。

 

ただ、不動産会社の立場から見ると、相続物件の売却の案内状を送るまでには多くの手間とコストがかかっています。

 

不動産会社が手紙を送るまでの実際の流れ

  • 行政文書開示請求を行う(数千円の印紙代が必要)
  • 届いた受付帳から「相続」と記載された案件を選別
  • 登記情報を取得(1件あたり331円)
  • ブルーマップを使って地番から住所を調べる
  • Googleマップで物件の外観や周辺状況を確認
  • 営業担当が現地確認(ガソリン代・移動時間)
  • 案内文を作成 → 印刷 → 封入 → 郵送(切手代など)

 

そして、100通以上送っても、実際に反響があるのは1~2件ほど。

 

実は私自身、不動産会社に勤務していた時期があり、事務担当者が何百件もの案件について、この一連の作業を一人で黙々とこなしている姿をよく見ていました。

 

実感として、これは決して「怪しい手法」ではなく、地道に行われている営業活動の一つだなと感じました。
(ただ、手紙を受け取った方の中には、迷惑に思われる方も少なくないと思いますが)

 

まとめ:相続登記後の手紙=情報漏えいではありません

  • 不動産会社は、法務局に行政文書開示請求をして相続に関する情報を得ている
  • 登記に関する情報は公開情報であり、取得することは違法ではない

相続登記後に不動産会社から手紙が届いても、情報漏えいを心配する必要はありません。

 

ただ、どうしても不安な場合は、お気軽に司法書士へご相談ください。