相続人は、預貯金や不動産等のようなプラスの財産だけでなく、借金のようなマイナスの財産もすべて相続します。
もし、夫が、大借金を残して死亡した場合は、残された妻と子どもはどうすればいいでしょうか？

 

 

相続放棄

　民法では、『相続放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものとみなす』と規定しています。

 

　相続放棄をした人は相続人ではないので、預貯金や不動産等のようなプラスの財産も、借金のようなマイナスの財産も相続することはありません。

 

　相続放棄をするためには、相続放棄の申述書※（収入印紙８００円を貼付）を家庭裁判所に提出します。

 

　※相続放棄の申述書は裁判所のホームページからダウンロードできます。

 

提出先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所

 

持っていくもの

• 数百円分の郵便切手
  いくら必要かは裁判所によって異なるので、事前に裁判所に確認しましょう
• 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
• 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票
• 相続人の戸籍謄本

相続放棄できる期間は３か月以内

　民法では、『自己のために相続の開始があったことを知ったときから３か月以内に相続放棄をしなければならない』と規定しています。

 

　残された妻と子どもが、相続の開始の開始を知ったのは、夫が亡くなったときが通常です。

 

　しかし、生き別れになっていた場合などは、死亡と借金については債権者からの通知によって知ることになるでしょう。

 

　債権者の通知が死亡から３か月以上経過していた場合でも、債権者からの通知を受けとった日から３か月以内に相続放棄をすれば問題ありません。

 

妻と子どもが相続放棄してそれで終わりではない

　夫が亡くなった場合、妻と子どもが相続人です。

 

　※妻は常に相続人であり、子どもは第１順位の相続人です。

 

 

　子ども（第１順位）が相続放棄をした場合、両親（第２順位）が相続人となります。

 

　なので、両親は、借金を免れるために相続放棄をしなければなりません。

 

　両親（第２順位）が相続放棄をした場合、兄弟姉妹（第３順位）が相続人となります。

 

　なので、兄弟姉妹（第３順位）は、借金を免れるために相続放棄をしなければなりません。