夫が亡くなれば、夫との婚姻関係は終了します。
しかし、夫の親や、夫の兄弟姉妹との姻族関係は継続します。
亡夫の親や兄弟姉妹と折り合いが悪いので、関係を断ちたい場合、何か方法はあるのでしょうか
配偶者と死別しても、姻族関係(義父、義母、義兄弟姉妹等との関係)は、変化がありません。
もし、夫が亡くなり、妻が、夫の親族と縁を切りたいと思った場合は、市区町村役場へ『姻族関係終了届※』を提出すれば、亡夫の親族と縁を切ることができます。
『姻族関係終了届』の提出期限はないので、いつでも提出することができます。
※姻族関係終了届は市区町村役場に備え付けてあります。
市区町村役場(生存配偶者の本籍地か住所地)
届出人の本人確認書類※(運転免許証、マイナンバーカードなど)
戸籍全部事項証明書の添付は、不要になったので、持参は不要です。
また、印鑑(認印可)の押印は任意なので、姻族関係終了届に押印しないのであれば、持参は不要です。
戸籍に「姻族関係終了」と記載され、義理の父母の扶養義務※がなくなります。
※義理の父母の扶養義務
特別な事情がある場合にのみ裁判所が義務を負わせることができるとしていて、『姻族関係終了届』を提出していなくても、義理の父母の扶養義務を負うことはほぼありません。
姻族関係終了の効果は、亡配偶者の親族と縁が切れる以外は、何も変化はありません。
姻族関係終了届を提出したことを、亡配偶者の親族に伝える人もいれば、中には、内緒で姻族関係終了届を提出する人もいるでしょう。
亡配偶者の親族が、姻族関係終了届が提出されたことを知った場合、亡配偶者の親族との軋轢はさけることは難しいです。
(仮に、内緒にしていても、亡配偶者の親は、亡配偶者の戸籍を取得することができるので、姻族関係終了届が提出されたことを知る可能性はあります。)
今後一切、亡配偶者の親族と会うことはない(一周忌等の法要も行わない)し、付き合うことはないから問題ないと思われるかもしれません。
しかし、もし生存配偶者に、子ども(義理の親からみたら、孫)がいる場合は要注意です。
なぜなら、祖父母(義理の親)が亡くなった場合、孫(生存配偶者の子ども)は相続人(代襲相続人)だからです。
もし、義父が亡くなった場合、生存配偶者の子どもは、義母や義兄弟姉妹たちと遺産分けについて話し合いをしないといけない可能性があります。
また、生存配偶者の子どもが未成年だった場合は、生存配偶者が、法定代理人として、義母や義兄弟姉妹たちと遺産分けについて、話し合いをしないといけない可能性があります。
姻族関係終了届を提出すべきかは、よくよく検討する必要があります。